これまでのおはなし

佐賀県三養基郡みやき町『六田竹輪蒲鉾企業組合』

今日は、佐賀県三養基郡みやき町『六田竹輪蒲鉾企業組合』のご紹介です。

中野「“練り物”をご紹介します!」

【『六田竹輪蒲鉾企業組合』とは?】

代表は、石井武俊さんです。今回は、息子さんの石井健太専務理事にお話を伺いました。石井家は“練り物”を作り始められたのは明治20年、120年以上も前です。『六田竹輪蒲鉾企業組合』の会社としても、70年以上の歴史があります。『六田』という名前は、加工場が「六田地区」にあるため付けられました。この地域は江戸時代から「代官所」のある「宿場町」として栄えました。有明海から続く水上交通が盛んな地で有明から“魚”を運び、地域の特産品の「瓦」や「煉瓦」などを交換して運んでいたそうです。

中野「明治維新後、代官所が廃止され宿場町として衰退してしまったそうです。でも“魚”は入ってくるので、その魚を使って何かしようという事で“練り物”の製造が始まったそうです」
玲子「今では色々な種類を作られているんですね!」
中野「皿の上には、“ちくわ”と“お好み天”と“なんこつ入り揚げかまぼこ”です」
玲子「“ちくわ”頂きます…弾力があって美味しい!お魚の味がする!」
田上「“なんこつ入り”を頂きます…コリコリする!!美味しい!」
中野「“練り物”は各地で作られていて、漁師さんがアジやイワシなどを使って作られていますが、ココは“蒲鉾・練り物専門店”で、話を伺うと、作り方も随分違うようです」

 

【“練り物”は?】

玲子「何が違うのですか?」
中野「“すり身”を作る特別な所から購入し、作られるのですが、この“すり身”だけで500種類以上あるそうです」

製造は“すり身”のブレンドから始まります。「数百種類の“すり身”の中から、商品企画にあったすり身を選び、ブレンドしていきます。製造工程でここが重要なポイント。」と健太さんが教えてくれました。納得した食感、食味に仕上がるまで何度も試作を作られるそうです。気温や湿度、季節によって“すり身”の状態が刻々変わっていくので、一定した品質を保つのは熟練の技術が必要とのことです。

玲子「確かに、“ちくわ”と“お好み天”では食感が全然違います!」
中野「“ちくわ”はしっかりした歯応え、玉ネギやゴボウなど野菜の入った“天ぷら”は柔らかめです」
田上「3種類、全部違う!」
中野「これを微妙に使い分けてBESTな味にするのが、ものすごく大変だそうです」

また“練り物”作りには独特の工程(用語)があります。“すり身”と“でんぷん”と合わせ味を調えた時点で一度“すり身”を「ねかせ」ます。この作業を「坐り(すわり)」と呼ぶそうです。天ぷらは“すり身”の状態で、竹輪・蒲鉾は成形後、製造ライン上で「坐り」の時間を作るそうです。

中野「この坐りの時間によっても違うそうです」
玲子「匠の技だ!」
中野「聞いていると僕も入り込んでしまいました。普通“練り物”は“すり身”を蒸したり揚げたりするとは知っていましたが、それぞれ作り方が違うそうです」

健太さんは『六田竹輪蒲鉾企業組合』の5代目になりますが、伝統的な技術を伝承しつつ、常に新たな商品開発に挑戦されています。『六田竹輪蒲鉾企業組合』の一番の繁忙期は12月で正月用の蒲鉾作り。「6月が一年で一番ユックリしています。」と健太さんが言われていました。

中野「伝統を守りつつ、新しい商品もドンドン出ていまして、先日伺った時“うなぎ”がのった天ぷらもありました」
玲子「うなぎ!高級天ぷらですね!」
中野「ウナギの身と蒲鉾の食感を上手く合わせて、違った食感になっていました。ホントに毎回努力と、カマボコを愛して練り物を愛してやまない印象でした」

●お問合せ先●
『六田蒲鉾企業組合』
佐賀県三養基郡みやき町大字市武680
TEL:0942-96-2033   定休日:祝日、水曜日

玲子「来週は?」
中野「宮崎県高千穂町『おたに家』の“高千穂牛のコロッケ”を紹介します!」

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