これまでのおはなし

佐賀県小城市『みつば屋小城羊羹製造本舗』

今日は、佐賀県小城市『みつば屋小城羊羹製造本舗』のご紹介です。

玲子「高級品ですね」
中野「皆さんご存知の“小城羊羹”です。沢山作られているお店がありますが、今日は『みつば屋』さんです!」

【『みつば屋小城羊羹製造本舗』とは?】

佐賀県小城市小城町にあります。現在の代表は、三代目・西村和剛(カズタカ)さんです。通常、約15種類の“小城羊羹”を製造販売されています。“小城羊羹”は、約65年前に創設された『小城羊羹協同組合』に所属し、佐賀県内で製造された羊羹のみの呼称です。
羊羹の材料は主に“餡子”“寒天”“砂糖”ですが、「“水”が綺麗な事が重要で、小城は綺麗な水の豊富なところで、昔小豆の産地でもあったことから“羊羹”作りが盛んに行われたと思います。」と和剛さんが説明してくれました。
“羊羹”には“昔羊羹”“切羊羹”“たち羊羹”など色々な種類があり、またその製法としても“練り”“蒸し”などがありますが、“小城羊羹”の特徴は、羊羹の表面が砂糖で覆われている事です。この白い膜は羊羹を乾燥させて自然に再結晶した砂糖で、製造後、一昼夜で再結晶が始まりますが『みつばや小城羊羹製造本舗』では、自然乾燥をしているので2日間ほどかかるそうです。

玲子「オーソドックスな黒い羊羹ですね」
中野「羊羹の周りの砂糖の結晶が特徴です。ですから普通の羊羹より少し硬めです」
玲子「ん〜〜、外側がシャリシャリしていて中がしっとり滑らかで!」
富田「これは美味しい羊羹ですね!」
玲子「甘みも上品!!今日は厚めに切って頂きましたけど、スルスル入っていきます!」
富田「外の固さと中の柔らかさのアンサンブルが絶妙!!」
玲子「小豆の旨味が感じられる本当に美味しい羊羹ですね」
中野「砂糖の結晶で旨味を閉じ込めて、保存が出来るようになっています」

和剛さんによると「製造後、2週間以内に食べて頂ければ、風味も損なわず美味しく食べて頂けます。」そうです。

玲子「こちらは、黒に近い深〜い緑の羊羹ですね」
中野「“挽茶”が入った羊羹です」
玲子「清々しいお茶の風味が感じられます!」
富田「絶妙にとろけていく感じが、美味しいですね〜」

【和剛さんは?】

『みつば屋小城羊羹製造本舗』の初代は和剛さんの祖父・光義さんで、二代目が祖母の栄子さんです。和剛さんが三代目を継いだ理由の一つに、和剛さんの4〜5歳の子供の頃の遊び場が“羊羹”を製造する工場だったそうで、「お爺さんの手伝いを子供ながらにしながら、いつの間にか羊羹の作り方が身についていました。生活の一部になっていたようです。」と言われていました。和剛さんが本格的に羊羹作りを始められたのは21歳の頃。羊羹を作る過程(特に練り上げ)では素手の感触を大事にされているそうで、杓文字などの道具を持つ右手に火傷が絶えないそうです。

中野「羊羹が何gなのか、手の食感で分かるそうです」
玲子&富田「え〜〜〜?!凄い方だなあ」
中野「素手でヘラを握って、煮詰めていくそうですが、その時の固まり具合や柔らかさなど確かめられているそうです」
玲子「だから、この絶妙な食感の羊羹が出来上がるのですね〜」
中野「羊羹の中に目には見えないぐらいの気泡ができても、手で持った重量感で分かるそうです」
富田「それはスゴイですね!」
中野「残念ながら規格外品になってしまうそうですが、匠の技を30代で身に付けられています」

『みつば屋小城羊羹製造本舗』の屋号を付けられた際に面白いエピソードがあるそうです。『みつば屋』は現在「三つ葉」がデザインに使用されていますが、石田三成が好きだった祖父の光義さんが「光羽矢」という文字で屋号を考えていたのですが、「印刷屋さんに回った時点でミスがあり、そのまま今の屋号になっています。」
和剛さんは、商品開発の面でも色々なチャレンジをされていて、“羊羹に合うコーヒー”なども作られています。『小城羊羹協同組合』の中でも若手の職人さんとして積極的に活動されています。

●連絡先●
「みつばや小城羊羹製造本舗」 佐賀県小城市小城町583
TEL 0952-73-2651

玲子「さて来週は?」
中野「大分県国東市の合同会社『農未来』の村田さんが作られた“珍しい米粉で作った商品”を紹介します」
玲子「米粉で?!」
中野「“マカロニ”とかです」
玲子「へ〜〜、来週も楽しみです!」