これまでのおはなし

佐賀県小城市『森山製帽所』

森山製帽所』とは?

『森山製帽所』は佐賀県小城市にあります。
現代表の森山眞登さんのお話では、1920年頃に初代の森山忠次さんが創業されたそうです。二代目は代表の父、茂樹さんです。『森山製帽所』では“麦わら帽子”の製造をされています。「現在、佐賀県では一軒のみで、九州でも2~3軒しかないと思います。」と眞登さんが言われていました。初代の忠次さんは元々『荒物屋』をされていたそうですが、“麦わら帽子”専用のミシンが開発された時に“麦わら帽子”の製造を奨められ、始められました。現在の製帽工場の土地は、忠次さんが『荒物屋』として商品を卸していた商店の店主の紹介で手に入れることができたそうですが、元は『造り酒屋』があった場所だということです。

“麦わら帽子”とは?

“麦わら帽子”は「サナダ編」と呼ばれる手法で編まれた麦わらをプレスしたものを材料にしています。「今は麦わらのサナダ編をする職人さんがいなくなって、中国からの材料に頼ることになりました。」現在は材料の入手も不安定で価格も高騰し大変だということです。「サナダ編」にされた麦わらを専用のミシンで編んでいきます。その後、いったん蒸気で蒸したあと、専用の型にはめ熱を加えて麦わら帽子の形を整えていきます。この時の「専用の型」の形で麦わら帽子のサイズ、形が決まっていきます。「型にはめ、熱を加えるので、作業場の熱気がすごく、夏は大変です!」と言われていました。その後に飾りをつけて仕上げますが、「専用の型」を造る職人さんもいなくなり、新たに製造することが難しいため、『森山製帽所』の“麦わら帽子”は昔からのデザインを基本に作られています。

川上「人によって頭の大きさって違うじゃないですか?」
中野「はい、だから型の大きさ以外にはできないのです。僕が買ったのは一番大きいLLの62cmです」
川上「僕も大きいのですが…」
後藤&陽区「似合う!」
中野「女性用とか男性用とか色々な型は決まっていますが、ツバは広め・狭めなど少し自由が利くそうです」

“麦わら帽子”が完成する時間については、「一つ一つ仕上げていくのではなく、工程ごとに作っていくので正確にはわかりませんが…、一つ仕上げるのに20~30分かなぁ~」と説明してくれました。製造していく中で、シワがよった物など、手直しができないものはB級品としての取り扱いになります。B級品の一部については、熊本地震など、ここ数年、各地で起こった災害の復旧作業の際にボランティアの皆さんに提供したり、子供達の田植え体験の時などに無償で提供されているそうです。

中野「森山さんはスポーツ店も経営されていて、スポーツ用品が並んだお店の一角で作られています。麦わら帽子の材料を作られる方、型を作られる方、そして製帽される方、どんどん少なくなってきて、今後伝えていくのが難しくなっています。ぜひ夏に麦わら帽子をかぶってください」

●連絡先●『森山製帽所』佐賀県小城市牛津町牛津816-1 TEL: 0952-66-0177

川上「いつも食のご紹介なので…おなかすいた…」
中野「実は、“麦わら帽子”にとても似合う“ある食べ物”を持ってきています」
川上&後藤&陽区「え?」
中野「柳川の『椛島氷菓』さんのアイスキャンディーです!」
川上「麦わら帽子とぴったりですね!」
中野「ちょうど今日お持ちした“アイスキャンディー”の『椛島氷菓』と、とあるグループがコラボして珍しいけど夏の暑い日にぴったりの逸品を作っているのですよ!来週ご紹介しますね!」