これまでのおはなし

大分県『宇佐市農産物加工センター菓子部会』の“おせったい菓子”

今日は、大分県『宇佐市農産物加工センター菓子部会』の“おせったい菓子”を紹介します!

サラサ「先週はニュージーランドからのお電話でした」
中野「帰ってきたと思ったら、昨夜の熊本地震で…益城近辺に多くの生産者の方がおられるので心配しているのですが…連絡を取らせて頂いた範囲では、大丈夫という事でした」
田上「食べ物など生産される方も影響が出ているでしょうね」
中野「熊本は農産物の産地ですからね…」

【『宇佐市農産物加工センター菓子部会』とは?】

大分県宇佐市で活動する女性加工グループで、メンバーは、リーダーで最年長(84歳)の本多幸子さんと、川江葉子さん、安倍幸子さん、永松マチコさん、道子さん、恵良久喜さんの6名で、23年前に結成されました。「めがね菓子・かりんとう・御饅頭」などの菓子を中心に製造されていますが、近頃は御弁当も人気があります。

【“おせったい菓子”とは?】

地域にもよりますが、毎年4月20・21日に行われる「おせったい(お接待)」という行事に使われるお菓子を“おせったい菓子”と呼んでいます。「おせったい」は「弘法大師祭」ともよばれ、弘法大師が入寂(亡くなられること)された承和2年(835年)3月21日を縁日として弘法大師の偉業をたたえ、平和繁栄を願う祭りだそうです。「おせったい」の日には、目印の「赤いのぼり」を立てた家を子供達が回り、“おせったい菓子”を振る舞う習慣があり、その際に配られる菓子が“めがね菓子”です。

中野「ハローウィンの時、子供たちがお菓子を貰って回りますよね。それの日本版みたいな行事です」

【“めがね菓子”とは?】

“めがね菓子”は、中力粉と黒砂糖、白糖、水あめに重曹を加えた生地を一晩ねかせ、延ばした後に細く切り分け、円形に繋いでいきます。生地は赤色と緑色の食紅で一部が色づけされています。円形にしたものをオーブンで2分半ほど焼き上げます。焼いている途中に輪っかが引っ付いて“めがね”みたいになるので“めがね菓子”と呼ばれるようになったそうです。

中野「昨日伺って、リーダーの本多さんに教わって、僕も作ってきました!」
サラサ「スタジオの中が、甘い香りがしますよね!」
田上「手作りの、この形が良いですね〜、頂きます!」
サラサ「あっ!サクサク!懐かしい甘み〜〜!!」
田上「歯応えはしっかりしていますね。手作りの優しい甘さ…止まらないですね、コレ!」
中野「これ、ちょっと湿気た感じも、趣きがあっていいんです」
サラサ「分かります!ネチッとした感じが出るでしょうね」

リーダーの本多さんによれば、「昔は、学校帰りに子供達がもらった“めがね菓子”に紐などを通して首からさげて回る光景が良く見られたよ」との事で、その頃は「おせったい」の日にだけ“めがね菓子”を作る職人さんがおられたそうです。「20年ほど前に私達も教わって作り始めました」と本多さんが言われていました。

販売は宇佐市尾永井にある『おかんの店』等で販売されていますが、「おせったい」の前には、注文が1kg単位で入ってくるそうです。一つのプレートに54個、輪っかをのせます。1kg焼くためには、5枚焼かないといけないそうです。

【価格】
「めがね菓子」100g 300円(税込)
【連絡先】
「宇佐市農産物加工センター菓子部会」
大分県大宇佐市大字下高720
TEL:0978-32-0912(※毎週水曜日と木曜日のみ連絡可能)

中野「水曜日と木曜日、朝8時ぐらいから夕方5時ぐらいまで何か作っているよ〜と言われていました。喜ぶと思いますので、是非電話してみてください。生きがいにしているそうです」
田上「さて、来週は?」
中野「雲仙市の“こぶ高菜”をご紹介します」
田上「来週も、よろしくお願いします」