これまでのおはなし

大分県佐伯市蒲江『宮脇水産』の“緋扇貝”

今日は、大分県佐伯市蒲江『宮脇水産』の“緋扇貝”のご紹介です。

田上「潮の香りが…」
中野「宮脇さんが養殖されている“ひおうぎ貝”です」
玲子「カラフルですね!自然の発色なのですか?」
中野「自然の色です。今日お持ちしたので紫・赤・オレンジ・黄色…あります」
田上「最初、色を塗って来たのかと思った!」
中野「そのくらい、色鮮やかです!」

【『宮脇水産』 とは?】

『宮脇水産』は、大分県大分市蒲江にあります。代表は宮脇真一さんで、現在はスタッフの方3人と宮脇さんご夫妻で“緋扇貝”の養殖をされています。30年以上前から養殖に携わられて、現在は毎年約25万個の“緋扇貝”を養殖されています。数十万単位で養殖しているのは、この地域くらいで、他の地域は数万個単位での養殖が多いそうです。蒲江には他に3軒の養殖業者さんがおられます。「以前は40万個ほど養殖していたんですが、数を減らしました。」とおっしゃっていました。
設備投資のコストの問題や手間のかかる作業の為、養殖業者が減ったり規模が縮小されたりしているそうです。(一方、設備が殆ど同じの真珠養殖の業者からの転業もあったそうです)

【“緋扇貝”は?】

“緋扇貝”は“帆立貝”の様な形状をした2枚貝です。大きさは直径7〜8cmあります。“帆立貝”に比べ、しっかりとした食感があり、深く濃い食味を持った貝です。何よりの特徴は、貝殻が茶・紫・オレンジ・黄色など鮮やかな色をしている事です。

玲子「一枚一枚、全部違いますね」
中野「元々は、茶色と紫色が混合したみたいな色でしたが交配していくうちに色々な色の個体が出来たそうです」
玲子「味は?」
中野「ホタテ貝より小粒ですが歯応えがあり深みがあります。今日は甘辛く味付けしたものと、炊き込みご飯をお持ちしました」
玲子「あれ?オレンジの貝にのっているの…あれ!?これ1つですか!?」
中野「1つを開いています」
玲子「2個かと思った!!青みがかった肝も…うわ、甘い!歯応えも良い!!!」
田上「良いですねえ、潮の香りが!」

以前は、“彩種”して自家繁殖していたそうですが、現在“稚貝”は主に愛媛県や対馬で調達しているそうです。 “緋扇貝”の養殖に適した水温は20℃前後。5月末くらいから産卵を開始するそうです。卵は幼生の時期を過ぎて着床し、約40日で1mm程度に成長するそうです。早くても1年半後にしか出荷できないそうです。

中野「実は1月〜3月が一番おいしい時期だそうです」
玲子「焼いても美味しいし、甘辛く炊いても美味しい!そして、このご飯…」
中野「3合のお米に10個のヒオウギ貝を入れて炊いてきました!」
田上「贅沢な炊き込みご飯…ん〜〜味が染みわたってる!!」
玲子「美味しいご飯ですね〜」

“緋扇貝”の養殖場は指定されている為、『宮脇水産』の作業場のある湾とは異なる湾に養殖筏があります。午前8時に準備を初め、午前8時半には作業を始めます。養殖場では水深2〜3mの所に大小に選別された“緋扇貝”のカゴが吊されています。「水深2〜3mのところが檜扇貝の餌になるプランクトンが一番発生し易いことが理由の一つです」と教えて頂きました。
個体によって育つ時間が違うため、毎日二回、養殖場よりカゴを引き揚げ、成長の度合いによって“緋扇貝”を選別します。出荷前には、殻についたフジツボや汚れを電動のやすりで傷つけない様に丁寧に取っていきます。出荷間近の“緋扇貝”はカゴに入れられ、作業場の筏に吊るされています。
“緋扇貝”の殻は、円筒形の網の筒に入れ「漁礁」の一部とする試みもなされています。また色の鮮やかさから、工芸品の材料になったり、食品の器になったりもしています。

玲子「身がプリプリしていて、焼いてよし!煮てよし!炊いてよし!です。太鼓判です!」
中野「本当に美味しい貝です!」

●『宮脇水産』
大分県佐伯市蒲江字浦蒲江
TEL:0972-42-0670  FAX:0972-42-0543(作業場)

玲子「さて来週は?」
中野「来週は、北九州市の“小倉ふる里どり”を紹介します!」
玲子「ぜひ聞いて下さい!今日は、ごちそうさまでした!」