これまでのおはなし

大分県国東市、岸田さんの“温故蜜柑”

今日は、大分県国東市、岸田さんの“温故蜜柑”を紹介します!

玲子「“温故知新”の“温故”!!」
中野「商品名ですが、種類は一番よく食べられている“温州ミカン”です。僕は色々なミカン生産者さんとお付き合いさせて頂いていますけど、特別なピカイチの味なので、ぜひ紹介を!」

【◆岸田さんとは?】

『岸田果樹園』は、大分県国東市の海が見える斜面にあります。栽培面積は約4ヘクタール。栽培本数は5000本以上。代表は、岸田和章さん。東京農大を卒業後、25年以上蜜柑を栽培されています。以前は、和章さんのお父さん時義さんが“米・蜜柑”を栽培されていました。和章さんが大学卒業後、お父さんの時義さんが“米”、和章さんが“蜜柑”と分業し専門に栽培される様になったそうです。
和章さんは大量生産・甘さ・保存期間を追及する栽培に疑問を持ち、甘さ、酸味が適度に調和した昔懐かしい味で、しかも濃厚な蜜柑を作りたいと栽培を続けられています。10年ほど前にやっと納得のいく蜜柑が収穫でき“温故蜜柑”と名付けたそうです。“温故蜜柑”は、絶妙の甘酸っぱさの食味で、蜜柑の皮が薄くむきづらいくらいに果実が充実した蜜柑です。

玲子「ちょっと可愛らしいミカン。皮が薄いですね!」
中野「剥くときに注意してください。実まで剥けてジュースが出てきます。」
玲子「中の薄皮も薄い〜!あっ、甘!!!ものすごく甘い!でも甘さを助ける酸味がちょうど良い!」
中野「特別なんですよね〜。調和がとれているんですよ。」
甲斐田「酸っぱさがあるからこその、ピリッとした甘さなんですよ!」
玲子「後口に甘さが残るから、手が止まらん!!」

【“温故蜜柑”とは?】

岸田さんは収穫する全ての蜜柑を同じ味でお届けしたいと、栽培技術などに工夫をされています。

農園の木々の根元には『マルチ(黒)』と呼ばれるビニールシートが張られています。『マルチ』を張ることで直接、蜜柑の根に雨が届かないため、日中の気温差で出来るわずかな水分を摂り成長していきます。一方で『マルチ』は、土中の水分を保つ役目もあり、夏場は土が乾き硬くなる為、水分や栄養分を求めて細かな根が伸びていくそうです。

中野「ミカンたちが、水を求めて根を張り巡らせたところで、おいしい栄養分を与えあげるんです。そして、ちょっと水が無い!という危機を感じた時に、ミカンたちは頑張って実を付けようとするそうです。」

有機肥料を使用した栽培をされていて、肥料は『魚』と『米ぬか』を合わせたものを使用されています。また、葉面には黒砂糖の発酵液と動物性のアミノ酸を水で薄めた液を散布されています。
蜜柑の木々も、全体に日光が満遍なくあたる様に剪定をしていくそうです。この作業も「箱の中の“蜜柑”を全て同じに揃え、蜜柑を食べる少しの時間にも幸せを感じてほしい!」と言う岸田さんの目標を達成する為の大切な作業だそうです。
収穫は、一本の木から3回に分けて収穫します。収穫された蜜柑はしっかりとした管理のもと、貯蔵していきます。貯蔵管理の技術も直接“蜜柑”の食味に繋がる大切な作業の一つです。

玲子「農園の向こうに海が見えて、なんだかミネラルを含んだお水をもらっているんじゃないでしょうか?」
中野「塩分を含んだ土壌は、もともと美味しいものが採れると言いますが、それに加えて、沢山の工夫をされています。ミカン畑は斜面ですから、僕も何度か伺ったのですが、膝がガクガクします。」
玲子「そんな斜面に、根や葉を広げて、風とお日様を受けて、美味しくなっているのでしょうね。」
甲斐田「自然の力と人間の力、両方を加えてのこの味なのですね。」

現在、追熟が必要な“不知火”等の柑橘類も栽培され、3年ほど前から『トンネル』を利用した貯蔵されています。分別作業にも、蜜柑にキズが入らない様にと細心の注意を払っていて、以前お邪魔した時、分別後、蜜柑が出てくる所に『布』が張ってありました。「蜜柑が選別機を出てくる際、勢いよく壁に当たらない様にクッションにしています。」と説明をしてくれました。

中野「食べる方の手元に届くまで、徹底管理、かわいがっている感じです。」
甲斐田「このミカンは、すごい!」

[お問い合わせ先]
『岸田果樹園』大分県国東市国見町竹田津5027
TEL: 0978-84-0738 (※岸田果樹園のHPからも、注文できます。)

玲子「さて来週のテーマは?」
中野「大分県宇佐市の“味一ねぎ”をご紹介します!」
玲子「来週も、ご期待ください!」