これまでのおはなし

宮崎県五ヶ瀬町『小笠園』の“釜炒り茶”

『小笠園』 とは?

『小笠園』は宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町三ヶ所にあります。代表は4代目・小笠秀哉(しゅうや)さん。『小笠園』は明治時代に初代・小笠直一さんが始められたということです。『小笠園』では、“お茶”を栽培し、主に“釜炒り茶”の販売をされていますが、初代の直一さんは、“釜炒り茶”の仕上げをする機械を開発し、〈黄綬褒章〉を受賞されたそうです。その後、秀哉さんの祖母・小笠きよさんが継承され現在に至っています。現在は、委託管理されている茶園を含めると約8町(8ha)あるそうです。製茶加工に関しては、夜は秀哉さんお一人で、昼は3代目で秀哉さんのお父さん一宇さんが担当され、繁忙期には秀哉さんの息子さんが手伝われています。「近年、高齢化や後継者不足で茶畑の管理ができない農家さんが増えています。その方達の茶畑の委託管理をやっています。」とのことでした。秀哉さんの息子さんの伸洋(のぶひろ)さんが、将来『小笠園』の5代目として事業を継がれるそうです。

中野「奥さんの小笠まゆみさんとは15年ほど前から知り合いで、改めてお話を伺いました。まゆみさんは、現在五ヶ瀬町の町議をされていて、今年の7月までの4年間は五ヶ瀬町の町議会町長をされていて女性の活動家としても有名な方です」

“釜炒り茶”とは?

五ヶ瀬町の一帯は、昔から〈山茶の自生地〉で雑木林の中に“お茶の木”も混在していたそうです。明治時代に茶業奨励で“茶の木”が改めて“茶畑”として植えられたそうです。『小笠園』で販売されている“釜炒り茶”は、「中国茶」の製造方法の一つで、15世紀に中国から伝えられたと言われています。五ヶ瀬町は“お茶”の栽培適地ということで昔から“釜炒り茶”が製造されていましたが、製造方法は「平窯」と言われる窯で、じっくりと手間をかけて炒りあげる方法です。特徴は、炒りあげて仕上げることで「釜香(かまか)」と言われる芳ばしい香りがあることです。また、他の茶に比べ、黄色で透き通った色も特徴の一つです。

中野「今日は“水出し茶”と“温かいお茶”と茶請けとして“朝倉の黒砂糖”をお持ちしました」
川上「温かいお茶を…香りが良いですな!トロッとした感じがして美味しい!!」
後藤「水出し茶、ムチャクチャ甘いです!美味しい!!!」
陽区「柔らかいですね」
中野「お茶の風味旨味を閉じ込める製法ですから。あと出涸らしと言っては何ですが“お茶を入れた後の茶葉のポン酢和え”もお持ちしています」
後藤「良いお茶だから食べられるのですね!」
中野「『小笠園』で栽培される“お茶”は農薬、化学肥料不使用で栽培されていますから」
後藤「歯応えが良いですね」
川上「美味しい!噛めば出てくる苦みも良いですね」
中野「茶葉の天ぷらとか聞きますよね。あと一度茶葉の佃煮を作っているのを見たことがあります」
陽区「お上品ですね。育ちが良い感じがする!」

“釜炒り茶”は嬉野などにもありますが生産量は極めて少なく、希少な製法となっています。お茶の全生産量の1%ほどと言われているそうです。

●連絡先 『小笠園』宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町2245
TEL: 0120-79-0059

川上「来週は?」
中野「以前ご紹介しましたが、台湾の東海大学の林珠雪准教授など約15名が 九州に来られます。鹿児島や熊本などの生産者の方々を紹介しながら、台湾と九州の食と文化をつなぐお手伝いします。その様子を来週リポートさせていただきます。」

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