これまでのおはなし

福岡市小呂島(おろのしま)の『漁師のしまごはん』

今日は、福岡市小呂島(おろのしま)の『漁師のしまごはん』を紹介します!

中野「天然の“ブリ”をほぐしてフレーク状にした美味しいもので、ご飯に混ぜたり、お酒の肴に良いです。ブリは出世魚で、福岡の方では“ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ”と言いますけど、この“ヤズ”で最初『やずフレーク』を作り、それからこのような立派な商品になりました!小呂島の漁師の皆さんのしまごはんです。」

【“小呂島”とは?】

“小呂島”は福岡市の最北端・最西端にある周囲3kmほどの小さな島です。島の皆さんは、殆ど漁業に従事する島で人口は約200人。刺し網漁(1月〜4月)、旋網漁(5月〜12月)で生計を立てられていますが、近年の漁獲量の減少や魚の価格の下落で漁協としての経営も厳しくなってきました。その状況を打破する為に、平成23年4月に「小呂島しまづくり協議会」が発足し、翌年1月には「漁から広げるしまづくり」「特色を活かした交流しまづくり」「健やか・安心のしまづくり」の三つのテーマを柱にした計画案が立てられました。そんな中、開発された加工品が『漁師のしまごはん〜天然ぶりの焼きほぐし』です。

【◆当初の『やずフレーク』とは?】

小呂島の漁師さん達は、漁から帰ってくると船上で食事を作り、浜で朝ごはんを食べる習慣が昔からあったそうです。その一つに島の漁師の皆さんが“こねくり”と呼んでいる“魚の漬け”があるそうで、漁師さんの大好きな漁師飯の一つだそうです。この“こねくり”からヒントを得て作られたのが『やずフレーク』でした。“こねくり”は、生の魚を醤油漬けにしてそのままいただきますが、『やずフレーク』は日持ちがするように、流通できるように“こねくり”を加熱(炒めて)して、フレーク状にしたものです。

甲斐田「漁師さんが船で食べている風味を残すように、流通させやすいように考えられたのですね?」
中野「しかも“天然”ですから!今は、ハマチ・ブリで作られています。」
玲子「良い香りがしているのですが…」
中野「今日は、“おにぎり”にして持ってきました!」
甲斐田「味が2種類ありますよ。『しょうゆダレ伝説の味』と『三瀬村産柚子胡椒』」
玲子「最初は、焼きほぐしたそのままを…身がしっとり、噛めば噛むほどしっかり美味しい脂ののったブリの甘みがブワッと出て来る!」

小呂島では“ヤズやハマチ”が、年間を通じ比較的安定した漁獲量があるので、商品の材料には適しています。また市場では安価で取引される事の多い“ヤズ”を加工することで、付加価値をつけ、漁師さんの所得を向上させる事が可能になります。また小呂島の女性の皆さんは“海女”として「サザエ・アワビ」など漁をされていますが、漁期の夏場以外は仕事がない状態です。そんな小呂島の海女さん達の漁期以外の雇用の場も創出でき、島を元気に!という願いが込められた商品です。

中野「小呂島のお母さんたちが『伝説の味』を心を込めて作られています!」
玲子「この“おむすび”、一粒一粒にお出汁がまぶりついてる!美味しい〜〜!!」
甲斐田「時間が経っても、これだったら美味しいですよね〜」

【試行錯誤の上『漁師のしまごはん」に!】

開発中も、島の味を大事にすると共に、老若男女の様々な世代の口に合う様に、また離島というデメリット対策として『常温』での流通が可能になる様に等など試行錯誤を重ね、またテスト販売も頻繁に行い商品名も『やずフレーク』から『小呂島漁師のしまごはん・玄海灘産天然ぶり焼きほぐし』と改められ、平成26年12月から 本格的な販売が開始されました。協議会の発足前からすると3〜4年の歳月が流れていたそうです。現在も、月に800本ほど売れているそうで、今後も売り上げを伸ばすと共に、新たな商品の開発も考えられているとのことです。

玲子「これがあったら、おかずがいらない!」
中野「湯掻いた野菜に和えたり、炒め物に混ぜたりしても良いでしょうね。」
玲子「賞味期限も長めで、苦労されたと思います。ぜひ常備してください!」
中野「小呂島が元気になるように皆さん頑張られていますから、ぜひ応援して頂きたいと思います!」

【価格】
『小呂島漁師のしまごはん』(60g)
伝説の味しょうゆダレ・三瀬村産柚子胡椒 …540円(税込)

【連絡先】福岡市漁業協同組合 小呂島支所加工部
【TEL】 092-809-1560
※他、岩田屋本店などでも販売しています。

玲子「さて次回(1月9日)のテーマは?」
中野「福岡県宮若市の『竹千寿』の“竹ちまき”をご紹介します!」
玲子「次回も、楽しみです!」