これまでのおはなし

福岡県飯塚市『野々実会』

中野「長野おばあちゃんは、新聞の掲載や「ながのばあちゃんの食術指南」という本も出版されているのでご存じの方も多いかと思いますが、伝統郷土料理を作られています」

『野々実会』 とは?

『野々実会』は福岡県飯塚市の旧長崎街道内野宿にあります。平成2年に結成されました。結成当初、長野路代さん、羽野敬子さん、矢野さんの苗字に「野」の付く3名で結成されことから『野々実会』の名前が付けられたそうです。現在は、長野路代さんと渡辺和恵さんのお二人と、忙しい時に結成当初のメンバー・羽野敬子さんがお手伝いに来られるそうです。

中野「長野ばあちゃんも『弟子とか取らんと思いよったけど(渡辺さんは…)弟子やね~』と言われていました」

「長野ばあちゃん」はこれまで農業での果樹栽培、郷土料理を提供する日本料理店(観光客対応のみ)などもされてきました。『野々実会』の現在の活動は、ほとんど注文のあった時ということですが、イベント等での“お弁当”や“惣菜”の販売です。お惣菜は「長野ばあちゃん」の手作りで、地域の郷土料理中心です。また、炭焼き体験・芋ほり・タケノコ狩りなどのイベントを積極的に企画され、体験と「長野ばあちゃん」の郷土料理を楽しみに多くの方が参加されます。

中野「先日行った時、お弁当を作られていたのですが色々な郷土料理で“いとこ煮(かぼちゃとあずきを炊いたもの)”などを作られていました」

【長野おばあちゃんは?】

「長野ばあちゃん」は、8人兄弟姉妹だったそうです。お兄さんお姉さんが独立、実家を離れられ妹さんとご両親の4人で暮らされていましたが、昭和20年12月にお母さんが急死され、家庭の様々な仕事をしなければならなくなったそうです。「終戦の年で物資もなく、私は15才だったので、何にも分からなかったけど、父方のおばあちゃんが料理から裁縫まで全ての家事を教えてくれました。今の料理や加工品もその時のおばあちゃんの教えがあったから」とも言われていました。「長野ばあちゃん」のお父さんは後に旧筑穂町の町議を三期務められたそうですが、終戦当時は食糧難を乗り切るために農業に専念されていたそうです。「父は炭焼きもやっていたので、手伝いながら、見様見真似で覚えました。今、‟炭焼き体験“ができるのもそのおかげです。」とのこと。
現在は、昔の郷土料理はもちろん、現代に合わせた惣菜や料理をいつも研究されているそうです。その中でも「長野ばあちゃん」のお薦めは“高菜漬け”です。「近頃はウコンなどで着色する漬け方もあるけど、私の高菜漬けは自然の色です。おばあちゃんからの教えで『桜の咲く時期に漬けた高菜をあげる』を守りながら続けています。」と話されています。「私みたいに“ごたく”並べて漬物漬ける人がこの頃少なくなった。」とも。

中野「直伝された“高菜おにぎり”を持ってきました!俵状にしたオニギリに高菜の葉を巻いていますが、薄い葉を巻いて、厚みのあるシャキシャキした所は油いためにしています」
川上「ん!ちょうど良い高菜の塩加減!」
陽区「ホントですね!ご飯にぴったり!」
中野「実は葉の裏に醤油を刷毛で塗ってあります。長野おばあちゃんから、こうしたら醤油の香ばしさが出ておいしいのよ!と教えて頂きました」
後藤「おいし~~い!」
陽区「ホッとする味ですね」

その他の加工品、料理も丁寧に無駄なく、昔からの伝統技法を守って作り続けておられます。その姿に感銘を受けた渡辺和恵さんも『野々実会』で活動されるようになったそうです。
陽区「長野おばあちゃんは何歳なのですか?」
中野「昭和5年生まれですから89歳?かな」
川上「お元気じゃないですか!」
中野「畑仕事もされていて3反(10m×100m×3)」
川上「うわ~~それをお一人で?!」」
中野「はい。サツマイモ掘り体験とかもされていて、1000本のサツマイモのツルをお一人で植えられたそうです」
後藤「ひえ~~!!」
中野「食材を作り調理されるなど何でもされています」

11月の2週目、3週目には「炭焼き体験」を予定されているそうです。「里芋たくさん植えちょるから、いつでも『里芋食べさせて~』と遊びにおいで。収穫は9月からやりよるき!」とお誘い頂きました。

●連絡先 連絡先  『野々実会』 福岡県飯塚市内野3260
TEL:0948-72-4755

川上「来週は?」
中野「宇部漁協の“車エビ”をご紹介します!お楽しみに」

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