これまでのおはなし

長崎市『有限会社 井上商店』の“鯨”

今日は、長崎市『有限会社 井上商店』の“鯨”をご紹介します。

中野「水産加工品を販売されているのですが、ほぼ“鯨”がメインです!」

【『有限会社 井上商店』とは?】

『井上商店』は長崎県長崎市築町に本店があります。長崎魚市場内にも販売店があります。代表は5代目・井上勤さんです。お話は営業部長の井上貴嗣さんにお聞きしました。『井上商店』は明治37年に創業、“鯨”をはじめ水産加工品を取り扱っていましたが、5代目・勤さんの祖父の代から“鯨”を主流に販売することになったそうです。現在“鯨”に関する商品を、25種類以上取り揃え販売されています。

(奥にいる白いシャツの方が5代目の勤さん)

川上「鯨って捨てる所がないんでしょ?!」
中野「昔は全部使って無駄がありませんでした。脂もランプに使っていたそうですし」

【“鯨”の商品とは?】

中野「今日お持ちしたのは “スエヒロ”“ベーコン” “鯨スティック”です」

人気商品の一つ“鯨のスエヒロ”は長崎特有の加工方法がとられています。“スエヒロ”は、鯨の腹部の燻製ですが、他の地域では「ウネ」などと呼ばれています。長崎の“スエヒロ”が他の地域の物と異なる点は、他の地域が繊維に沿ってカットし加工しているのに対して「繊維」を断ち切るよう直角にカットし加工してある点ということです。貴嗣部長によれば、「この方法で加工すると仕上りが扇型で“末広がり”となり縁起の良い事から“スエヒロ”と名付けられたそうです。」とのことでした。

中野「ベーコンはおなじみですよね。縁がピンクで。“スエヒロ”も“ベーコン”も部位ではなく加工した後の呼び名です。どちらも鯨の腹の方の皮です」
後藤「なかなか頂けないですものね」
川上「ベーコン、美味しい!」
陽区「塩味がききながら、噛んでいると脂の甘みが!」
中野「ベーコンを居酒屋で食べる時には生姜醤油やポン酢を付けますよね」
陽区「酒飲みたいな~~」
川上「スエヒロ・・・こちらの方が歯応えが!」
中野「スエヒロは、酢味噌がおススメです」

特に人気があり、売り出し中の商品は“鯨スティック”です。“鯨スティック”はミンク鯨の赤身をスティック状にカットし、醤油、生姜、玉ねぎ等を材料としたオリジナル特性のタレにつけた物に 衣をつけ揚げたものです。“鯨スティック”は15年前に「創業百周年を記念して井上商店の代表的な商品を開発しよう」と5代目の勤さんの考案で作られたそうです。井上貴嗣部長のお話では「気軽に老若男女問わず、鯨を食べてもらいたい。という思いもあり開発しました。」とのことでした。

中野「食べやすいんです!」
川上「柔らかい!美味しい!」
中野「2月に長崎でイベントをしたとき大人気になりました」
陽区「今回3種類でしたけど、全品食べてみたいですね!」
「今、居酒屋などで人気のある“サエズリ”は鯨の舌を加工したものですが、以前は扱われていませんでしたが、捕鯨の制限が始まり、鯨が高騰したため、比較的安価に提供できる加工品として“さえずり”考案、開発された経緯があります。」と貴嗣部長が説明してくれました。貴嗣部長は「長崎県は昔から捕鯨が盛んでした。平戸市生月や五島などで水揚げされた鯨は一度、東彼杵の基地に集めあられ、そこから全国流通されていました。現在も東彼杵は鯨流通の重要な拠点となっています。」と言われています。
現在、“鯨”の品質を判断できる専門家が少なくなる中、長年“鯨専門”で販売してこられた『井上商店』では、個体差で肉質が違うことなど、「目利き」を持たれているため、適切な加工を行う事が容易であるというお話をされています。

●連絡先●『有限会社 井上商店』長崎県長崎市築町5番10号
TEL:095-824-2351(※井上商店のHPから注文できます)

川上「来週は?」
中野「九州を飛び出して福島県の青田さんの水産加工品をご紹介します!!」