これまでのおはなし

長崎県南松浦郡新上五島町 の“平干し大根”

今日は、長崎県南松浦郡新上五島町 の“平干し大根”を紹介!

中野「切り出し大根は細く切ったものですが、ココのは平べったい“平干し大根”です!小さい大根はそのまま一本。大きい大根は2つ切りぐらいにしまして、2mmぐらいの厚さに薄く切って、そのまま干してあります。」
玲子「一反木綿みたい?伸ばしたら大きいよ。」

中野「これは、新上五島町の「前田旅館」の女将さん:道津和子さんが、お煮しめにして送ってくれたんですよ。」
玲子「美味しい!トロトロ!」
中野「砂糖はホンの隠し味程度で、大根の甘さです」
玲子「大根の甘みですか!?あっ、干すから甘みが増すんですね」

【「平干し大根」とは?】

長崎県南松浦郡新上五島町に伝わる「干し大根」。
新上五島町青方地区のお正月料理の「お煮しめ」の材料に欠かせない食材で、青方地区では現在も“元旦の朝”から「平干し大根」を使った「お煮しめ」を作られるそうです。(近頃は、ずいぶんこの「お煮しめ」を作る家庭が少なくなったそうですが・・・。)

斎藤「これ、大根の種類自体が全然違うのですか?」
中野「いいえ、ふつうの大根です」

【「平干し大根」の生産者は?】

内野ゆかりさんです。御夫婦で一つ一つ手作りでとても丁寧に作られています。「平干し大根」は「なだら」と呼ばれる干し場で作られます。田んぼや畑に斜めに傾いた干し台を作り、“トタン屋根”等で雨避けて寒風で作ります。「一度干した大根をさわると色が黒くなる。」と、乾いて完全に仕上がるまで触らないそうです。
「なだら」では「平干し大根」の他にもう一つの新上五島特産品「かんころもち」の材料「ゆがきかんころ」(薩摩芋)も干されるそうです。

【「平干し大根」の調理法?】

お煮しめの場合、まず「平干し大根」を水で戻して、油(昔は“椿油”を使ったそうです。)で炒め、鍋の底に敷き詰め、その上に他の材料を重ね並べ、「あご出し」を加え煮込んでいきます。(味つけはお醤油)「平干し大根」はとても甘みのある「干し大根」で「お煮しめ」を作る際には、殆ど砂糖を使わないで済むくらいだそうです。
「平干し大根」は季節の食材とも相性が良く、春は「つわぶき」、夏は「ずいき(水イモ)」、「新じゃがいも」の時期にはジャガイモと一緒に料理が楽しめるそうです。

玲子「フワフワのトロトロのあま〜い大根になっていますね」
斎藤「五島では、みんなが知っている料理なんですか?」
中野「新上五島の青方地区というエリア限定です。」
斎藤「エリア限定!?なんで中野さんは知っているんですか?」
中野「前田旅館の女将・道津さんを以前から知っていたんですよ。つい最近、忘年会でお会いした時に『平干し大根』の事を教えてもらったんですよ」

【「平干し大根」は郷土料理】

「前田旅館」の三代目女将:道津和子さんは、ご自分の旅館で、獲れたての新鮮な魚、「クエ」料理や「鯨」料理、「かとっぽ」と呼ばれる「箱ふぐ」料理等、新上五島町の地元料理を宿泊されるお客様に提供されています。
旅館に来て頂く御客様だけではなく、多くの皆さんに新上五島町の特産品を皆さんに知ってもらいたいと、地元生産者の皆さんと協力して新商品の開発等もされています。
今回の「平干し大根」も一般的な「切干大根」とは異なった新上五島町独特の特産品として商品化しました。

中野「まだ、きちっとした商品パッケージは出来上がっていませんけど、ご希望の方は前田旅館さんに連絡して頂ければ、お送り頂けると思います。」

【連絡先】
「前田旅館」  長崎県南松浦郡新上五島町青方郷1364
TEL 0959-52-2112

玲子「大根と言われなきゃ、分からないよね。では来週のお話は?」
中野「宗像市鐘崎だけに伝わる“のうさば”を!」
玲子「来年も、よろしくお願いします。」