これまでのおはなし

長崎県対馬市の『大石商店』の“干し椎茸”

今日は、長崎県対馬市の『大石商店』の“干し椎茸”を紹介します!

玲子「良い香り!!」
富田「この肉厚な“干し椎茸”は素晴らしいですね!」
玲子「コロンとしていますね」

【『大石商店』とは?】

『大石商店』は、長崎県対馬市峰町にあります。代表は大石勝彦さんです。大石商店では、椎茸の原木栽培を行われ、主に乾燥椎茸を生産されています。椎茸栽培を始められて約27年になります。その前は、水産加工品(スルメイカの乾物)の製造・販売をされていたそうです。「椎茸栽培については殆ど独学で始めました。」と言われていました。

【対馬の“干し椎茸”とは?】

原木栽培に使われる“ほだ木”は「クヌギ」や「コナラ」が殆どですが、対馬では「アベマキ」という特有な木が使われます。(対馬では「ドウダ」とも呼ばれています。)
原木になる「アベマキ」の特徴は、「クヌギ」に比べ表皮の厚さが2〜3倍あり、木質もしまっているそうです。その為か、一本から芽吹く椎茸の量が「クヌギ」の60〜70%と少ないのですが、“ほだ木”としての寿命は長く、「クヌギ」が4〜5年に対して、「アベマキ」は約8年です。トータルにすると、一本当たりから収穫できる量は、ほぼ同じくらいになるそうです。
また地元の皆さんが「カンカゼ」と呼ぶ南西の季節風の影響などで、芽吹いてから、収穫できるまでに成熟する期間が、他地域の約3倍の時間がかかるそうです。

富田「ゆっくり、じわじわ育っていくんですね?」
中野「旨味が凝縮されながら、じわじわ“どんこ”になります」
玲子「いろいろ困難を乗り越えてネ!」
富田「苦しみは成長のチャンスですから!」

椎茸は原木の切り出しから始まり、駒打ちを行い、1年半ほどで芽吹きます。『大石商店』では、約4万本の原木で椎茸栽培をされていて、1年で7千本ほど原木の入れ換えを行っているそうです。また、必要以上の水分を吸収すると味に影響が出る為、ビニールをかぶせ“雨除け”をする工夫等をされています。

中野「実は、大石さんの息子さんのお嫁さんが、志免町の「大吉寿司」さんのお嬢さんで、
干し椎茸を使った“ちらし寿司”を作られているので、朝行って、お持ちしました。食感と香りを楽しんでみてください」
玲子「美味しそうな“ちらし寿司”!」
富田「原木椎茸がタップリ!肉厚〜!」
中野「食感が違うと思います」
玲子「まずは椎茸だけ・・・ホント、甘みが濃い!肉厚のしっかりプリプリした食感!」
中野「“山のアワビ”とも言われます」
玲子「おいし〜〜い!!」
富田「全然違う!」

じっくり育った椎茸を“乾燥椎茸”にすると、より濃厚な出し汁が取れるそうで、「料理人の方から、対馬の椎茸のだし汁は濃厚過ぎて他の食材の特徴が消えるほどなので、“二番だし”を使っているという話も聞きました。」と大石さんが説明してくれました。肉質がしまった食感も良質のものに仕上がります。

玲子「噛むと旨味がジュワ〜〜と口の中に広がりますね」
中野「1回で採れる量が少ないですから、貴重品ですよね」

大石商店では9月初旬から収穫が始め、10月までは生椎茸の出荷も行います。気温もさがり、十分に成熟する11月〜3月くらいの椎茸は主に乾燥椎茸として加工しています。

大石商店の乾燥椎茸は、福岡市にある対馬市のアンテナショップ「よりあい処つしま」でも販売されています。
※2016年8月30日〜9月1日、JR博多駅・博多口そばで行われる『対馬観光物産PR展in福岡』のイベントでも販売予定です。

【連絡先】
「大石商店」 長崎県対馬市峰町志多賀557  TEL 0920-82-0209

玲子「さて、来週は?」
中野「熊本県山都町の『肥後やまと会』の“有機栽培野菜”を紹介する予定です」
玲子「来週もよろしくお願い致します!」