これまでのおはなし

長崎県平戸市の『長崎慈眼堂』の“満月の初塩”

今日は、長崎県平戸市の『長崎慈眼堂(じげんどう)』さんの“満月の初塩(はなしお)”を紹介します!

中野「このコーナーで“塩”は2回目の紹介ですが、今回は平戸市の『長崎慈眼堂』の林敏英さん・きり子さんご夫妻が、大潮のときの海水しか使わずに作った“塩”です!」

【『長崎慈眼堂』とは?】

『長崎慈眼堂』は、長崎県平戸市にある製塩所で、林敏英さん・きり子さんご夫妻で11年前から営まれています。林さんは、特に美しい海の一つとして知られる平戸市の『根獅子(ねしこ)』の浜一帯で、満月の大潮の時期(大潮の前後三日間)の海水を使用されています。

玲子「なぜ大潮?」
中野「大潮の前後3日間、月の引力とかの関係で、この時の海水が一番良いと林さんは経験上判断されたからです。」
玲子「満月は大忙しですね?」

大潮の前後3日間で、1回に汲む量は約12トン、多いときは20トンもの海水を汲み上げ、次の大潮までの1ヶ月間、じっくりと煮詰め“塩”に仕上げていきます。

玲子「ここにお持ち頂いたのですが、結晶が一粒一粒、見て取れますね!」
斎藤「これ、デカいですよ!」
中野「5mm以上あるものもありますかね。」
玲子「輝いていて、見ているだけでも楽しいですね!」

≪直煮(じきに)式≫と言われる、釜焚き前に海水の塩分濃度を高める作業をせず、海水そのものを窯に入れ、少しずつ煮詰め濃縮し塩を作る≪釜焚き製法≫で、塩を作られています。

中野「今日は、我が農園でとれたジャガイモの上に“塩”を!」
玲子「粒のまま食べてみたけど、えぐいような塩の辛みがないですね。まろやかな辛みですね!」
斎藤「中野さんの所のジャガイモも美味しい!」
中野「慈眼堂さんの所にお邪魔した時に、奥さんがキュウリに塩をかけたもの、お漬物、おにぎり等、シンプルな料理に最高です!塩自体に旨味があるのです!」

平戸出身の有名な料理人の方が林さんの塩に惚れ込み、お肉を焼いた上に粒のままのせて提供されるなど、ご自身の料理の調味料として使用されていますし、またこの方が“満月の初塩(はなしお)”と命名されました。

【“満月の初塩(はなしお)”とは?】

一釜には、約8トンの海水が入るそうで、1トンの海水で塩は約15kgとれるそうです。釜入れされた海水は、注意深く煮詰められ、8日目には『塩の花』と呼ばれる結晶が釜一面に現れます。これが『一番塩』で、次に煮詰めて現れる『二番塩』とは、含まれるミネラルの種類が違うそうです。
長崎慈眼堂では、『一番塩』だけのものを“あら塩 銀河”として、『一番塩』と『二番塩』をブレンドし仕上げられたものを“慈眼の塩”という商品名で販売されています。

中野「『一番塩』は本当にサラサラしていて、綿雪のようです!」

その中でも、“満月の初塩(はなしお)”は、気温や湿度など周囲の環境が整った時に初めて結晶として現れる塩で、最高級の塩として珍重されています。

中野「粒が大きいから、ポンポンとのっけるだけで、かえって塩分少な目になるかもしれません。」
斎藤「塩がいいから安い食べ物でもいいかもしれませんね。」

【連絡先】
『長崎慈眼堂』
長崎県平戸市草積町385 TEL:0950-28-0505
(※長崎慈眼堂さんのホームページからも注文できます。)

中野「塩を作る体験などもできますので、ぜひご連絡を!」
玲子「さて来週のお話は?」
中野「大分県宇佐市の『あかれんが』さんの逸品を!」
斎藤「何でしょうね?スイーツかな?」
玲子「来週もお楽しみに!」