これまでのおはなし

長崎県長崎市『千寿庵長崎屋』さんの“桃カステラ”

今日は、長崎県長崎市『千寿庵長崎屋』さんの“桃カステラ”を紹介します!

玲子「3月3日の雛祭りの前に、ピッタリですね!」
中野「長崎の方はご存知でしょうが、僕は3ヶ月ほど前に知りました。」
甲斐田「長崎はこの時期になると、どのお店でも“桃カステラ”がありますね!」

【“桃カステラ”とは?】

“桃カステラ”は、長崎市のお菓子屋さんの多くが製造している特産品です。“桃カステラ”の上部は、砂糖を煮詰めた“ホンダン”と呼ばれるお菓子で、桃の形状をしています。下部は“カステラ”ですが上部の“ホンダン”の部分との相性を考えて、少し甘味を控えたものになっています。一つ一つ手作業で仕上げています。

玲子「カステラの部分はシットリしていて、お砂糖の部分はサクッとしていますね…頂きます…カステラは甘さ控えめで、砂糖菓子のところは、もちろん甘いですけど、やさしい甘さ!」
甲斐田「長崎の“桃カステラ”いくつか食べたことありますけど、こんなにシットリした“桃カステラ”は初めてかもしれない!」

【『千寿庵長崎屋』とは?】

『千寿庵長崎屋』は、長崎市にある、創業昭和4年のお菓子屋さんです。現在は2代目であり代表の井上正和さんと、3代目の井上唱一さんの御家族で経営されています。今回は3代目の井上唱一さんにお話を聞きました。

『千寿庵長崎屋』は、「地域ブランド(地域団体商標)」として商標登録された“長崎カステラ”の製造元でもあります。“カステラ”は独自の製法と「ひまわり卵」など厳選した素材を使って作られています。また、“カステラ”以外にも、繊細な技術が必要な“有平糖”や、長崎の伝統菓子“口砂香”等も作られています。

中野「“有平糖”は、ポルトガルの方から伝わったらしいです。」
玲子「水飴か何かで作られているのですか?」
中野「飴菓子・飴細工ですね。」
甲斐田「可愛いですね。こちらは?」
中野「“口砂香”で、新商品の『長崎ふうけい』で、長崎の教会などを型取ってあります。」

『千寿庵長崎屋』では、一年を通して“桃カステラ”を製造されていますが、長崎では「桃の節句」の時に食べられるお菓子として有名で、3月が一番需要も多いそうです。しかし、唱一さんのお話では“桃カステラ”自体は、「桃の節句」の菓子として考案された物ではないとの事です。「桃カステラは、私のお店でも初代から作られていました。お菓子屋さんの会合で『いつから作られたか、由来は?』ということが話題になりましたが、はっきりとした答えが出ませんでした。“桃”は、中国で縁起の良い食べ物とされていますし、ポルトガルから伝わったカステラと合体したのではないかと言うことでした。いずれにしても長崎ならではのお菓子です!」とのことでした。

玲子「その昔、お砂糖は貴重品でしたからね。」
甲斐田「出島から長崎、佐賀…そして江戸まで運ばれたのでしょうね。」
中野「シュガーロードと言う道に沿って、このようなお菓子があります。不思議な事に、桃の果肉も桃の果汁も一切入っていないのに“桃カステラ”って、おもしろいな〜って。一部のお店では、“桃”が入っているものもあるそうですが、これは伝統菓子ですから、昔ながらの製法で作られています。」
玲子「お店お店で工夫されているのでしょうね。」

【『有平糖見聞館』とは?】

『千寿庵長崎屋』は、「有平糖見聞館」に指定されています。「有平糖見聞館」とは、長崎の町の伝統や文化、くらしを伝える町歩きスポットして指定されている18カ所ある「さるく見聞館」の一つです。『千寿庵長崎屋』でも、お菓子作りの古い道具などが展示されています。

中野「今にも飛び立ちそうな“雀”のお菓子などもありました。」
玲子「本物そっくり!」
中野「お店に行くと、有平糖の細かな細工も見られます。」
玲子「見て楽しい、食べても美味しい!」

【連絡先】
『千寿庵長崎屋』
長崎県長崎新大工町4-10  TEL:095-822-0543
(※HPから、お取り寄せも出来ます。)

玲子「さて、次回のテーマは?」
中野「宮崎県日向市の“天然はまぐり”を!」
玲子「来週も楽しみです!ありがとうございました。」