これまでのおはなし

長崎県長崎市『有限会社 萬順』の“よりより”

今日は、長崎県長崎市『有限会社 萬順』の“よりより”をご紹介します!

中野「ご存知の方も多いと思います」
コン「有名ですよね」
中野「長崎を代表するお菓子ですが、萬順は“元祖”と書いてあり、“よりより”という名前を付けられたお菓子屋さんです」

【『有限会社 萬順』とは?】

『有限会社 萬順』は長崎県長崎市諏訪町(昔ながらの佇まいで趣のある寺町通り)にあります。オーナーは五代目・井上忠彦さんで、“月餅”“よりより”“ちより”などの長崎伝統菓子を製造、販売されています。『有限会社 萬順』の前身は『萬順號(まんじゅんごう)』と呼ばれる貿易商だったという事です。貿易商という業種から豊富に入手できた“砂糖”“小麦粉”を使って中華菓子を作り始め、明治17年(1884年)『萬順菓舗』を中華街がある長崎市新地に創業されました。『萬順菓舗』の三代目の頃までは、船を所有し“砂糖”などの取り扱いをされていたそうですが、海難事故で船が沈没し、船荷の“砂糖”が沈んでしまうなど莫大な損失を抱えてしまい、事業を縮小せざるを得なくなったそうです。血縁はなかったそうなのですが忠彦さんのお父さんが様々な経緯を経て、四代目として事業を継承し、『萬順製菓』が設立されました。

【“よりより”とは?】

今でも代表的な商品が“元祖よりより”です。中国では<麻>の花に似ていることから「麻花(マーファ)」「脆麻花(ツゥイマーファ)」と呼ばれていましたが、『萬順』では手作りで編むように作られているため、「よりより」と名付けたそうです。

中野「その前は“ねじり菓子”とか“唐人巻き”とか“よれよれ”と呼ばれていたこともあったそうです」
コン「“よれよれ”はチョットねぇ…」
中野「今でも“よれよれ”と呼ぶ人もいるそうですよ」

菓子の呼び名が複数ある理由の一つとして、「登録商標を申請してしまえば、長崎の名物として広く親しまれることが難しくなる。店舗の歴史を伝え、味で勝負して消費者から選ばれる菓子を作ればいい。」という先代の社長の意向があったからと言われているそうです。

玲子「素朴な、ほんのりした甘さがクセになりますよね」
コン「大きいのと小さいのがありますね?」
中野「“よりより”を食べやすく一口サイズに仕上げたのが“ちより”です」
コン「あっ!こんなに硬いのか!!と思って」
玲子「だから、小さいのがあるのね」
コン「ほのかな甘みが広がって懐かしいですね」
玲子「月餅も美味しい!」
中野「黒餡と白餡があって、模様で違うのですが…」
玲子「餡子ですか??」
中野「餡子にクルミなど色々なものが練り込んであります」
玲子「あ!黒餡の中にクルミ・ゴマ・落花生・ブドウ・クランベリー・パパイヤ・パイナップル等々はいってる!だから香ばしいんだ!」

「“よりより”はウドンように小麦粉を伸ばし麺にしたものをよって揚げたものですが、長崎で一番似た商品は“皿うどん”の麺です。“砂糖”で味付けしたものが“よりより”で、“塩”で味を調えたものが“皿うどん麺”になったような気がします。」と説明してくれました。

中野「お店にお菓子の木型が沢山あります」
玲子「諏訪町の本店と、めがね橋店があるんですね」
中野「今、ランタンで飾り付けられていて綺麗でした」
玲子「お土産に喜ばれますね」
中野「“ちより”のパッケージは色々なデザインがあります」

「第14回全国菓子大博覧会金牌賞受賞」「第17回全国菓子大博覧会有功賞受賞」「全国色菓子大品評会総理大臣賞受賞」、「全国銘菓名物展京都知事賞受賞」など、様々な賞も受賞されています。

● 連絡先『有限会社 萬順製菓』 長崎県長崎市諏訪町7-28
TEL: 0120-24-0477

玲子「さて来週は?」
中野「唐津市の農家・石丸のおばちゃんをご紹介します!!」