これまでのおはなし

長崎県長崎市『田中旭榮堂(たなかきょくえいどう)』の“栗饅頭”

今日は、長崎県長崎市『田中旭榮堂(たなかきょくえいどう)』の“栗饅頭”のご紹介です。

中野「“栗饅頭”はアチコチで販売されていますけど、ここは元祖と言われている所で、明治31年創業の老舗です!」
玲子「パッケージが可愛いですよね!」

【『田中旭榮堂』とは?】

田中旭榮堂は長崎市上町にあります。創業明治31年の老舗の菓子店です。初代の素郎市さんが考案した“栗饅頭”を中心に「栗」を材料にしたお菓子作りにこだわっています。現在の代表は、田中耕太郎さんで4代目になります。「長崎しにせ会」のメンバーです。

中野「4代目の耕太郎さんが色々工夫されて、創業当時からのキャラクター“栗王子(栗を持った西洋人の王子様)”を使って季節ごとの新商品を出されています」
玲子「クリスマスの“メリー栗王子”がある…」
田上「一つ一つ箱に入っていて…」
中野「今は合格祈願の“合格勝栗”があります」
玲子「絵が微妙にユルイ感じ」
田上「栗王子のキャラクターは明治時代に考えられたのですか?」
中野「創業当時からあったそうで、もしかしたら日本で一番古い“ゆるキャラ”かもという噂が飛ぶぐらいです」

【“栗饅頭”は?】

“栗饅頭”は、1904年の日露戦争の祝勝祝いの菓子として作られたそうです。当時は今のような「栗」の形ではなく「卵」形で、「栗」も入っていなかったという事です。“栗饅頭”の名前の由来は「勝栗」からと言われているそうです。

中野「パッケージも楽しいですが、栗の職人さんとしてもスゴイ腕を4代続けられています」
玲子「皮はシットリして…“メリー栗王子”を割ってみると…あっ白アン!大きい栗も入っています!栗の食感もホクホクで!!!」
田上「ん〜〜美味しい!」
中野「栗も良いものを選ばれて、餡子もしっかり作られています。お茶の家元さんの茶菓子として特注が来るぐらいです」
玲子「外側の生地はシットリしていて、中のアンは栗の甘さを損なわないような、ほのかな甘みで!」

「全国菓子大博覧会」では「名誉総裁賞」、「茶道家元賞」、「橘花栄光章賞」など数々の受賞歴があります。毎年長崎で開催される茶道の大きな催しの茶菓子も田中旭榮堂さんで作られているそうです。

中野「店内に、宮家から来たお礼状が飾ってありました」

“栗饅頭”の大きさも数種類あり、祝い事など用に特注の文字入り特大栗饅頭も作られます。

中野「今日持ってきたのは直径10cmちょっとありますかね!?」
田上「いや〜、お皿の上にナイフが準備されているんですけど、なかなかお饅頭をナイフで切ることないですよ!」
中野「中に栗がたくさん入っているそうです。大きいものは1kg以上あるそうです!」
玲子「1kg!?」
中野「特注で『お誕生日おめでとう』とか文字も入れてくれます」

4代目の耕太郎さんは「出島」から色々な物が日本に入り、伝わって行った事を伝えたいと色々な活動をされています。「クローバー」も、当時輸入される商品の「緩衝材」として「出島」から伝わり全国に広まりました。“栗饅頭”の形を変えた「クローバー饅頭」を販売しながら、その事を伝えられています。

●連絡先●『田中旭榮堂』  長崎県長崎市上町3-6
TEL; 095-822-6307
お店の場所は長崎市上町の長崎歴史博物館の近くです。
栗色の建物に栗饅頭のデザインが入っています。

玲子「4代目が頑張っています、応援しましょう!!さて来週は?」
中野「福岡県みやま市の『江の浦海苔本舗』の今が旬の“海苔”を!」
玲子「来週も楽しみです!」