これまでのおはなし

鹿児島県大島郡瀬戸内町『野見山製糖組合』の“がんみつ黒糖”

今日は、鹿児島県大島郡瀬戸内町『野見山製糖組合』の“がんみつ黒糖”をご紹介します

玲子「今日は汗と涙の結晶ですね!!」
中野「“がんみつ”という“黒砂糖”です。以前お伺いした時に食べさせて頂いたのですが、メチャクチャ美味しい黒糖でしたのでご紹介します」

【『野見山製糖組合』とは?】

『野見山製糖組合』は加計呂麻島(鹿児島県大島郡瀬戸内町野見山)にあります。代表は、備 雄次(ソナエ ユウジ)さんです。『野見山製糖組合』で作られる黒糖の商品名が“がんみつ黒糖”です。“がんみつ”とは≪含蜜≫と書き、砂糖を作るときに結晶と糖蜜を分ける≪分蜜≫をせず、「精製していない、純粋な」という意味だそうです。『野見山製糖組合』の代表:備さんは黒砂糖作りを始めて30年以上の経歴があります。前職は瀬戸内町役場に勤められていました。備さんの奥さんの実家が黒砂糖作りをされていたそうで「手伝いに行きながら、黒砂糖の作り方を覚えました。」と言われていました。

玲子「板状のものをサイコロぐらいに切った感じですね」
中野「加計呂麻島でサトウキビを栽培されて、自分の加工場で黒砂糖を作られています」
富田「サトウキビの汁をココまでに詰めるのは大変でしょうね」
中野「煮詰める部屋に入っただけで、汗が噴き出してきます」

【“がんみつ黒糖”は?】

“黒砂糖作り”は、搾汁した“サトウキビ”の搾り汁を煮詰めて作られますが、煮詰める釜は1番から3番まであり、搾り汁は1・2・3番目と順に煮詰められていきます。撹拌を繰り返しながら、“灰汁汁”を丁寧に取って行きます。「灰汁汁の取り方が出来上がりの品質に大きく影響するので丁寧な作業をします。」と言われていました。“灰汁汁”が多く残ると黒い仕上がりに、丁寧に取られた物は白っぽく仕上がるそうです。

玲子「人の手で?!」
中野「手作業です」
富田「夏場も冬場も大変ですね!」
中野「丁寧に灰汁取りをすると白っぽくなるそうです。今日お持ちした“がんみつ黒糖”の表面が白っぽいでしょ?」
富田「確かに!」
玲子「いただきます…カリッ!アッ美味しい!コクがあって!!スッキリした甘みですよ」
中野「灰汁が少ないので、口に残るのも少ないと思います」
富田「黒砂糖のイメージが変わりますね!」
中野「全然違います。黒砂糖にするのも大変ですがサトウキビを作るのも大変だそうです」

原料のサトウキビの畑は、現在1町5反ほどあるそうです。「サトウキビは“連作”を嫌うので、ローテーションを考えながら、土づくりを上手くやっていきます。」と備さんに説明して頂きました。備さんのサトウキビ畑では、約50〜60トンのサトウキビが収穫されるそうです。50〜60トンのサトウキビで仕上がる黒砂糖の量は、約1/10という事です。“サトウキビ”は春(3〜4月)と夏(7〜8月)の2回植え付けるそうです。春植えの分は一年後から、夏植えの分は翌々年の1月〜2月に収穫が始まるそうです。
刈り取った後からは“株だし”と言われる作業があり、その後、次々に新しい芽が出て成長したものを収穫していきますが、3年ごとに植え替えをしていくそうです。

玲子「そんなにかかるのですか!?」
富田「大変な作業だ…」
中野「ただ加計呂麻島とか奄美大島などは台風の被害も度々で、風で倒されると作業は大変だし、収穫量は減るし大変だそうです」
玲子「これは美味しいですね」
富田「黒砂糖は料理に使うと思っていましたが、これはそのまま食べても美味しいですね」
中野「加計呂麻島には何軒か黒糖を作っている所があるのですが、大体同じ作り方です。あと黒糖焼酎の原料として黒糖も精製されています」

サトウキビ畑には毒蛇のハブもいるそうで、「今年も一匹退治しました。サトウキビの株元にむやみに手は絶対突っ込まれん。」と言われていました。

玲子「命がけで作った“がんみつ黒糖”ですね。お取り寄せできるのですか?」
中野「加計呂麻島からの発送になりますので、1つ2つより、まとめて注文するのをおススメします。ただし季節ごとに作っているので、時期によっては無い時もあります」

●連絡先  『野見山製糖組合』
鹿児島県大島郡瀬戸内町野見山201
TEL : 0997-76-0762

玲子「さて来週は?」
中野「長崎県長崎市の『ひかり養蜂園』をご紹介します。面白いハチミツがあります」
玲子「来週もご期待ください!」