これまでのおはなし

鹿児島県大島郡瀬戸内町加計呂麻島の「きび酢」

今日は “鹿児島県大島郡瀬戸内町加計呂麻島の「きび酢」” をご紹介!

【「加計呂麻島」とは?】

福岡から鹿児島県奄美大島まで、飛行機で約1時間20分、奄美空港から瀬戸内町まで、レンタカーで約1時間40分、そこから海上タクシー(船)で約20分、ようやく加計呂麻島に到着します。乗り継ぎ等を入れると片道4時間ぐらいかかります。

中野「プライベートや仕事で、5回ぐらい行きました。一回行ったら、住みたい所の一つになるぐらいイイ所です。」

【「きび酢」とは?】

「サトウキビ」で作られたお酢です。普通サトウキビからは、砂糖や黒砂糖が作られますが、「きび酢」は、サトウキビの搾り汁の濃度を高め、酢酸発酵させます。
この酢酸発酵がスゴイ!空気中にある酢酸菌によって自然発酵するのです。この自然発酵が出来るのは、日本では加計呂麻島だけです。
世界的にも大変珍しく、ハワイの「パイナップル酢」、イタリアの「バルサミコ酢」などがあります。

中野「加計呂麻島には、その辺に酢酸菌がたくさん飛んでいるのでしょうね。あと気候とか湿度とかが組み合わさって、加計呂麻島だけでしか発酵しないのです。」
玲子「奇跡のお酢だ!」

【「きび酢」が出来るまで】

「きび酢」を製造しているのは、加計呂麻島の西田製糖工場(佐知克…サチユキ)、崟(タカシ)製糖工場(野見山)、上田製糖工場(諸鈍…ショドン)の三工場のみ。

原料のサトウキビは、化学肥料、農薬に頼らず1年から1年半かけて栽培・収穫され加工場に集荷されます。圧搾機で糖水を絞り、炊き上げながら糖水の濃度を高めます。それに水を加えて糖水の濃度を一定にする等の作業を行い、一年間、甕で熟成されます。
その後、JAあまみ瀬戸内支所に集められ、ブレンド調整を行い、さらに2〜3年熟成されます。

中野「お酢ですから、気合を入れて飲んでください」
玲子「まろやかよ!酸味が。とんがった感じは無い!」

【生産者の西田製糖さんによると・・・】

「きび酢」は年間約100トンしか製造できない貴重なお酢で、生産量は残念ながら年々減ってきています。また、台風などが原因の塩害や気候異常、特に栽培する農家さんが減ったせいで原料のサトウキビ自体の生産量が減少。
しかし、「きび酢」は昔から地元で食されてきたお酢で、瀬戸内町には「きび酢」を使った「油そうめん」や「酢の物」など色々な料理があります。

中野「きび酢を使った「チキン南蛮」これが美味しいですよ!」
玲子「美味しそう!この酢がまろやかだから」
斎藤「これ、グッと力付きますね」

地元の皆さんはレシピを工夫し、色々な料理に使われています。
また、飲み物として「ハンダマ(和名は水前寺菜)」と合わせてジュースを作られています。とても綺麗な紫色で、夏場にはピッタリの爽やかで飲みやすいジュースです。

【「きび酢」の栄養素】
ポリフェノールを多く含み、カルシウムは米酢の約15倍、マグネシウムは約3.5倍、鉄分は約10倍含んでおり、ミネラル豊富なお酢です。

「かけろま きび酢」 700ml・300ml

◆◆ 連絡先 ◆◆
〒894-2322鹿児島県大島郡瀬戸内町瀬相742-5
JAあまみ特産課(きび酢工場)
TEL 0997-75-0211  FAX 0997-73-3220

「きび酢」の他、「ウコンきび酢」や「島とうがらし」を漬け込んだ調味酢、ドレッシングなどに加工され島内を中心に販売されています。

玲子「美味しかった!さて、次回は?」
中野「“福岡県うきは市の「津軽」”です。」
玲子「津軽? 東北では?? 次回も楽しみです!」