これまでのおはなし

鹿児島県枕崎市の『丸久鰹節店』

今日は、鹿児島県枕崎市の『丸久鰹節店』をご紹介します!

玲子「いい香りに包まれて・・・」
中野「僕の知り合いの生産者さんの中でも、本当に尊敬する方が作られた鰹節です」
コン「良い香りだな〜日本人だな〜〜」

【『丸久鰹節店』とは?】

『丸久鰹節店』は、鹿児島県枕崎市桜木町にあります。創業は昭和39年、現在の代表は、茶屋徳郎さんです。加工場は以前の小学校の校舎の一部を再利用して鰹節を作られています。初代の茶屋久徳さんが作る“本枯節”は、全国の有名な和食料理店の職人さんが使用するほどで、昭和62年には《農林水産大臣賞》を受賞されています。

初代の久徳さんは残念ながら平成23年に他界されましたが、久徳さんの奥様のツキ子さんと、現代表の徳郎さんと、徳郎さんの奥様の孝代さん、パート1名で“鰹節”の製造販売をされています。

【“本枯節”とは?】

玲子「最初にカチコチにして削った人は偉いですよね〜」
中野「色々なテクニックも使われています」

“本枯節”は鰹節の中でも最高級品で「ルビー色の輝き」と言われるほど鮮やかな色で「世界一固い食品」とも言われています。

“本枯節”は様々な工程を経て作られますが、特徴的な作業として《かびづけ》があります。ほとんど水分が無くなった鰹節に《かびづけ》することで、わずかに残った水分も取り除き長い時間保存できるようになります。『丸久鰹節店』では、初代の久徳さんの代から、《いぶす》工程の際、マキの火種を調整することで均等に煙を充てるそうです。《かびづけ》をする際は、専用の部屋に置かれた鰹節を、お湯を張った鍋一つで調整をするなど名人芸と言える技法で“本枯節”を作られています。

中野「今日は、インスタントみそ汁…味噌と本枯節の削りたてを入れてお湯を注いだだけです」
コン「味噌汁をかき混ぜるたびに香りが!!美味しい〜〜〜〜」
玲子「普通の鰹節の出汁よりも濃いです!」
中野「削っている時に、カツオブシの香りが充満します」
玲子「鰹節と味噌だけだけど、美味しいね」

中野「鰹節を削った後に出た細かい削り節をオニギリに付けてみました」
玲子「おむすび・・・美味しいですよ!だってお出汁がまぶさっているんですから!」

初代の久徳さんは、同業の鰹節製造の事業者の方からも一目置かれる存在で「茶屋さんの作られた“本枯節”は、形・食味・香りともに真似をすることが出来ません」と言われるほどでした。息子さんの徳郎さんの話では「父が亡くなった後、試行錯誤と同業者の方からのアドバイスを大切に小規模になりましたが“鰹節”を作り続けています」とのことです。

◆本枯節の作り方は?
1)カツオを5枚におろし、90分ほど煮込む (アラは“ビンタ料理”という郷土料理になります)
2)骨やウロコを丁寧に取り、桜などの薪で15〜20日燻す。
3)黒いタール分を取り、成形をする(昔は専用の小刀で作業をされていたそうです)
4)半日から一日、天日干しを行う
5)“一番カビ”を15〜20日かけて付ける
6)その後、 “二番カビ” “三番カビ”と、同じ工程を繰り返しながら付けていく

●連絡先『丸久鰹節店』鹿児島県枕崎市桜木町120番地
TEL :0993−72−2654
(※小規模経営の為、少量対応しかできません。)

玲子「さて来週は?」
中野「長崎市の野母崎の“ゴマ豆腐”をご紹介します!」