これまでのおはなし

今日は、長崎県対馬市の“トロの華”

今日は、長崎県対馬市の“トロの華”を紹介します!

玲子「目の前に輝くルビーのようなものが!!」
中野「これは、長崎県対馬の美津島町漁業さんというところが、数名の漁業者さんでグループを作りまして、蓄養されている本マグロです!」

【“トロの華”とは?】

“トロの華”とは、対馬市美津島町尾崎地区で『蓄養』されている『本マグロ(黒マグロ)』のブランド名です。『蓄養』とは、幼魚を捕獲し生簀の中で育てていく方法で、美津島では平成11年から始まりました。9業者の皆さんが統一された蓄養技術で『本マグロ』を育てられています。平成14年には“トロの華”として商標登録もされています。

中野「今日は、赤身と中トロをお持ちしました!」
斎藤「うわ!とろける〜!!マジで美味い!」
玲子「口の中の体温で溶けってった…甘みが美味しい!」
中野「昨日東京のあるイベントで、約60kgのマグロ解体ショーをやらせて頂きました。関東の方は、マグロに親しみがあると思っていたのですが、この“トロの華”を食べてビックリされていました!こんなマグロは食べたことがないって!」

【“トロの華”の蓄養方法とは?】

『ヨコワ』と呼ばれる本マグロの子どもを捕まえて育てます。『ヨコワ』の漁は、5月〜6月、8月〜9月に行われます。捕獲された『ヨコワ』は800gぐらいの大きさですが、3〜4年かけて40〜60g・体長1m以上に育てます。

中野「ですから、ヨコワ自体が獲れないと蓄養が出来ないんです。しかも“トロの華”の皆さんは、養殖の仕方をほとんど統一されていて、配合飼料を使わずに、冷凍ですが丸のままのサバ等を与えています!ですから脂のノリとか全然違うんです!」
斎藤「これは幸せですね〜。人生の喜びですね〜。」
玲子「高かろう…?」
中野「良いお値段はしますけど…一匹ウン十万でしょうね。」

“トロの華”は脂の乗りも良く、赤身よりも『中トロ』と言われる部分が多くを占めます。その食味の良さと鮮度を保つ為に、出荷時には特に注意が払われています。

中野「生簀が直径20mぐらい。その生簀から一本釣りするんです!1つの生簀に、400〜500匹ぐらいいるそうです。まあ、大きくなれば数も違ってくると思いますが。」

釣り上げるときは、『電気バリ』と呼ばれる道具を使い、エサに食いついた瞬間に電気が流れマグロが暴れない様に工夫がされています。船上に上げる時にも、魚体にキズが付かない様に素早く丁寧に行われます。釣り上げた“トロの華”は血抜きがされ、頭の神経を抜き、鮮度を保つ作業がされますが、この間わずか1〜2分の早業です。その後陸揚げされ、エラと内蔵を取り除き、氷水に漬け込まれます。この時に使用される氷も、保存状態を良好に保つ為の方法として、塩分を含んだ氷が使用されます。

中野「ものすごく、手間がかかっているんです!」
斎藤「技もすごいんでしょうね?」
中野「ビックリしますね。アッという間に仕上がりまして僕らの所に送られてくるのですが、キレイにお腹も抜いてあって、少しも無駄にせずに皆さんに提供しているんです。」

【養殖業者の皆さんは?】

“トロの華”の養殖業者の皆さん自ら、観光客の方や地元対馬の方、特に子供達に“トロの華”の事を知ってもらおうと『マグロの解体ショー』や『試食会』『給餌体験』等、積極的な活動をされ“トロの華”のブランド化を進める努力をされています。

中野「子供たちに知ってほしいと。」
斎藤「まだ、早いんじゃないですか!?この頃から食べたらスゴイことになりますよ〜。」
中野「どんな風に育つかを見せたいと、餌やり体験をやっているんです。」
玲子「素晴らしい技術と知識を伝えたいよね。」

【連絡先】
「美津島町漁業協同組合」 TEL: 0920-54-5020

玲子「さて来週のお話は?」
中野「鹿児島県霧島市 『もんぺおばさん』の“いこもち・これがし”を!」
玲子「また、分からん!」
中野「方言ですので…」
斎藤「しかし、色々あるもんですね。引き出しがスゴイなぁ〜。」
玲子「来週もお楽しみに!」