これまでのおはなし

長崎県長崎市野母崎の“生からすみ”

今日は、長崎県長崎市野母崎の“生からすみ”を紹介します!

中野「以前から親しくしている長崎市野母崎の岡本勇一さんに来て頂いています。」
甲斐田「野母崎は、良い所ですよね〜。景色も良いし、食も美味しいものが多くありますから。」

【“生からすみ”とは?】

玲子「黄金色だ〜!!」
中野「非常に珍しく、また美味しいです。僕も岡本さんのところにお宿を借りた時、朝ごはんに出てきたので知ったのです。」
玲子「(パクッ)…あ、プチプチ卵たちが弾けてる!塩味が優しい!後口も“からすみ”の独特な旨味が!今まで、飴色の“からすみ”しか食べたことが無かったですけど、“生からすみ”の方が、プチプチ感が残って食感が良いですね!風味が違いますね!」

“からすみ”は “会席料理”や“おせち料理”など高級食材として日本料理などに使われます。一方“生からすみ”は“からすみ”同様、高級食材として使用されると共に、炊き立ての白御飯で頂くなど一般の家庭でも食べやすい食材です。

【◆“からすみ”とは?】

“からすみ”は抱卵した『ボラ』から卵巣を傷つけない様に丁寧に取り出すことから始まり、塩漬け〜塩抜き〜乾燥の行程を経て、1カ月以上かけて仕上げるそうです。

作業の行程で『卵巣』の外側の『薄皮』が破けてしまうと“からすみ”としての価値がなくなります。今回紹介する“生からすみ”は、作業の中でどうしてもいくつか出てしまう薄皮の破れた『卵巣』を再利用することから生まれた商品という事です。

岡本「今は“生からすみ”の方が欲しい!という方が多くなりました。」
玲子「私もファンになった、今。でも、“生”だと賞味期限も短くなるのですか?」
中野「1カ月ぐらいです。実は岡本さんの家で、卵かけごはんの上に海苔をのせて、その上に“生からすみ”をのせて食べると、絶品です!」
岡本「玉子と卵で、美味しいです!」

【『からすみ本舗おやど鳴子』とは?】

野母崎にある『からすみ本舗おやど鳴子』では80年以上、三代にわたって“からすみ”を作られています。三代目は小川勇士さん、勇士さんも30年以上“からすみ”作りをされています。小川さんによれば、「“塩抜き”の行程が一番神経を使い、難しい。」とのことです。野母崎では塩漬けしたものを乾燥させますが、三重などではタレ漬け、鹿児島では仕上げに焼酎を塗ったりするところもあります。野母崎が元祖に近いと言われています。

岡本「本当の名前は“野母(のも)”と言っていたそうです。400年以上前、中国から伝わってきて、最初は『サワラ』の卵巣で作っていたのですが、野母崎で獲れる『ボラ』で同じようなものが出来ないかと作ったのが最初だそうです。その頃は、野母で作っていたので“野母”と言われていたそうです。その後に、豊臣秀吉が唐津に来た時に、長崎の代官が献上して、何だこれは美味しいな!と名前を聞かれたのですが、その代官は名前を知らず、中国の硯に似ていたので頓知をきかせて、“唐墨”と言われたのです。それから “からすみ”になりました。」

現在、“からすみ”を本格的に製造されているのは長崎でも 5〜6件程度だそうです。
その一つでもある『からすみ本舗おやど鳴子』では、40年以上前からこの“生からすみ”を作られているそうです。“生からすみ”は、『乾燥』の行程がないので“からすみ”よりも短期で仕上がるそうですが、塩加減の調整など細かい技術が必要です。また『からすみ本舗おやど鳴子』は“からすみ”を製造すると共に、野母崎で水揚げされる旬の海産物を食すことのできる旅館としても有名です。

「生からすみ」・・・3500円(税込)
【連絡先】
「からすみ本舗おやど鳴子」長崎県長崎市野母崎樺島町393
TEL 095-893-0507
※他、野母崎の物産センターなどでも、販売しています。

玲子「さて来週のテーマは?」
中野「福岡県小呂島の漁師のしまごはん“焼きほぐし”をご紹介します!」
玲子「来週も、楽しみです!」