これまでのおはなし

宮崎県日向市の“天然ハマグリ”

今日は、宮崎県日向市の“天然ハマグリ”を紹介します!

玲子「私の手の平ぐらいありますけど、ハマグリってこんなに大きいのですか!?」
中野「今回お話を伺ったのは、日向市にある“磯料理”を提供される旅館『望洋館』の高橋和範さんです。高橋さんは“潜水(モグリ)”で漁をされる漁師さんでもあります。」

【日向市では?】

宮崎県日向市の日向灘沿岸一帯は、昔から“ハマグリ(ちょうせんはまぐり)”の生息地で、特に「金ヶ浜」と「お倉ヶ浜」は特産地として有名です。明治41年(1908年)頃から原田清吉さんという方が、“ハマグリ”の貝殻を使った『碁石』の製造を始められ、日向市は『ハマグリ碁石』の産地になりました。その為、近年までハマグリは『食用』ではなく、『碁石』の材料として貝殻が珍重されていたそうです。

中野「僕らも潮干狩りに行って運よくハマグリを見つける事がありますけど、稚貝のうちは沿岸の浅瀬にいるのですが、大きくなるにつれて沖に出ていくそうです。これは、7〜8cmあるでしょうか。この大きさぐらいだと、水深4〜5mと深い所にいるそうです。」
玲子「歌舞伎で、ハマグリの殻に塗り薬を入れていますけど、あれは小道具だから大きいのだろうな…と思っていましたけど、ホントに天然でも、この大きさがあるんですね!」
中野「数が、ものすごく少ないです。」

“ハマグリ”は、生息数が過剰になると、全体の約70%が自然死をしてしまう『斃死』と呼ばれる現象が起こるそうです。日向市沿岸の砂浜一帯にはこの『斃死したハマグリ』の貝殻が多く存在していたそうで、これらの貝殻を採取し『ハマグリ碁石』の材料にしたそうです。

中野「素晴らしい碁石が出来たらしく、聞くところによると、碁に詳しい方が1億円もの値を付けたこともあったらしいです。」
玲子「だからと言って、身を食べないなんて、もったいない!」

【“ハマグリ”は?】

玲子「ふたを開けてみます!ジャン! あっ、ハマグリご飯になってる!」
中野「高橋さんが命がけで潜って獲ったハマグリですから、少しでも美味しく頂きたいと思いました。」
玲子「ハマグリの身を頂きます…火を入れても、この大きさ…プリプリ!ジワジワっとハマグリの旨味が!!美味しい!!!」
中野「ハマグリの酒蒸しのお出汁もお持ちしました。」
玲子「ピンク色!うわっ、これでお酒が飲める!」
甲斐田「深い味!」

高橋さんの“モグリ”での漁は、貝殻ではなく食材として使う為に『生貝』として“ハマグリ”を採取する方法です。『入水管』と呼ばれる部位が、砂地から出ているのを見つけて採取します。一回の潜水時間は1分程度で、その間にハマグリの入水管を見つけます。ですから、海底が濁っていては“ハマグリ”を見つけることはできません。穏やかな波の日が続き、海底の視界が良好の時にしか漁ができないそうです。その為、漁獲量は限られており、水揚げされた“ハマグリ”の殆どは予約注文先に送られるそうです。

玲子「これ、料亭とかだと1個何千円するんだろう…」
中野「ですから、申し訳ありませんけど、ほとんど注文予約です。?橋さんが経営している『望洋館』に予約して、もしあれば食べられます。」
甲斐田「運が良ければ…ですね。」

50年前には3万トンあった水揚げが、現在、数が激減しているそうで、2000トンを割り込み歯止めが利かない状態です。その為、日向市も資源保護の為に色々な調査や放流などを行っています。

【連絡先旅館】「望洋館」
宮崎県日向市平岩191‐2
TEL 0982-57-1002

中野「メチャクチャ景色の良い所で、イセエビや岩牡蠣などもあります。」
玲子「海の幸が!」
中野「高橋さんはブラジルに移住されていて、望洋館に入ったらアルマジロの剥製がありますし、色々なお話を伺えると思います。」
玲子「さて、次回のテーマは?」
中野「熊本県玉名市の森口さんの“肥後こまち”を!」
玲子「来週も楽しみです!ありがとうございました。」