これまでのおはなし

長崎県南松浦郡新上五島町『有限会社 はたした』

今日は、長崎県南松浦郡新上五島町『有限会社 はたした』をご紹介します。

玲子「とても良い香りと共に来られました!」
中野「水産加工品をご紹介するのですが、今日お持ちしたのは“まんぼう”のみりん干しです!」
田上「あの“マンボウ”ですか!!」
玲子「めずらし〜い!!」
中野「これは滅多に食べれないと思います」
玲子「マンボウって食べれるの!?」
田上「食べたことない!」
中野「僕は何度かありますけど、美味しいですよ」

【『有限会社 はたした』とは?】

『有限会社 はたした』は長崎県南松浦郡新上五島町にあります。代表は畑下直(スナオ)さんです。『有限会社 はたした』では、五島列島の新上五島町沿岸で水揚げされる季節ごとの旬の魚介類を、新鮮なまま加工されています。商品は五島の代表的な特産品、“焼きあご”や、イカ・アジなどの塩干、味醂干しなどがあります。現在の代表・畑下直さんが『有限会社 はたした』として水産加工業を始められたのは平成16年からです。

【“まんぼうみりん”とは?】

珍しい商品として“まんぼうみりん”があります。新上五島町では12月〜2月の寒い時期に定置網に入った“翻車魚(まんぼう)”が水揚げされます。“まんぼう”が獲れると漁師さんから直接連絡が入るそうで、「軽トラック荷台に乗らないほどの大きさのものもいます。」とのことです。

中野「昔からこの地域では“まんぼう”を塩干しにして、保存食として食べられていたそうです。お刺身でも食べられたそうです。それを味醂干しにしたら美味しかったので商品として販売されているそうです」
玲子「ふっくらした身をしているんですね!」
田上「味醂干しの良い香り!」
玲子「あっ!プリップリな食感!身の弾力が他に類を見ない!!」
田上「エッ!プリプリでありながら、ちょっとした繊維が!」
中野「そうなんです。たて繊維が入っています。今田上さんが食べられたのが血合の部分で少し歯応えがあります。玲子さんのは白身の部分です」
玲子「美味しい食べ応えがあって!お酒が〜〜〜〜〜!!!」
中野「これをお茶漬けにしても良いし、お酒の肴でも絶品です」
田上「これ最高!!」

“まんぼう”の身は「エンの身」と呼ばれています。畑下さんのお話では、エンの身はエビの身の様にあるところから、エビが訛ってエンの身と呼ばれるようになったらしいです。クジラのように“まんぼう”の内臓は「ヒャクヒロ」と呼ばれ、大変おいしいです。

玲子「また食の楽しみを知りましたよ!」
中野「ただ、滅多にお目にかからないです」
玲子「今日、ビックリですよ!この食感はクセになる!」

【主力商品“焼きアゴ”とは?】

畑下さんの御両親は地元で「アゴ漁」を専門に漁をされる漁師さんです。直さんは地元の漁協の職員さんだったそうです。新上五島町小串郷では、昔から水揚げされた「アゴ」を“焼きアゴ”として加工し保存することが漁師さんや家庭で一般的に行われていました。近年になって、“焼きアゴ”を作る家庭や漁師さんも少なくなってきたそうです。その“焼きアゴ”作りの習慣を伝えていく為に、漁協から転職され“焼きアゴ”を中心とした水産加工会社を立ち上げられたそうです。

玲子「写真を拝見すると、アゴ(飛魚)が大きくて真ん丸に肥っていますね」
中野「串に刺して、炭火で焼いて、乾燥させて…など色々な手順があるそうです」

材料の「アゴ」は御両親が網漁で獲ってこられた物を使われています。畑下さんも時期になれば「アゴ漁」に出られるそうです。「アゴ漁」の最盛期は9月〜10月です。“焼きアゴ”は正月の必需品として需要が多い為、今から正月に向けて加工のピークになるそうで、現在は「毎日、焼きアゴ作りをやっています。」という事でした。その他の“塩干し”“味醂干し”などの商品は、定置網に入った魚介類を地元の漁師さんから仕入れ加工されています。塩は、五島の塩を使われているそうです。

●お問い合わせ先
『有限会社 はたした』 長崎県南松浦郡新上五島町小串郷466
TEL/FAX: 0959-43-8995
営業時間 9:00〜17:00  定休日:日曜日・祝祭日

中野「マンボウに関しては限定品です。アゴも少なくなったので、連絡して頂ければとおもいます」
玲子「さて来週は?」
中野「福岡県添田町“英彦山の柚子胡椒”を紹介します」
玲子「ありがとうございました!」